「本読み会」「戯曲を読む会 全国大会2019」のおススメ
9月22日、日本大学藝術学部江古田校舎にて「戯曲を読む会 全国大会」が開催されます。
日本各地で活動する戯曲の読書会が集まって行う初めてのイベントだそうで、私も今から楽しみにしています。
実は7月、この大会の主催団体の一つである「本読み会」に参加しました。
前々から参加したいと思いつつタイミングが合わなかったのですが、この日は松田正隆さんの『夏の砂の上』を読むというので、これは逃せない!と思い、行ってきました。
『夏の砂の上』は青山円形劇場で上演された初演(1998)を観ています。
それはとても心に残る芝居だったのですが、いくつかの気になること(主に時間の流れについて)があって、戯曲を読んで確かめなくてはと思いつつ、長年そのままになっていました。
一人で読むよりも数人でリーディングする方が、少しでもその気になることがわかるのではないか……? と期待を持って臨みました。
そして、しみじみ参加して良かったと思っています。
リーディング公演というものが、ここ数年、日本でも盛んに行われるようになりました。
基本的に舞台装置や照明を使わず、シンプルに戯曲を味わうことができるので好きなのですが、時として読み手の熱量にバラつきがあって、見ていてつらいことがあります。
一人が淡々と「戯曲に書かれた言葉」を届けようとしているのに、別の一人は思い入れたっぷりに役作りをして熱演しているような場合です。
「本読み会」のこの日のリーディングは、皆さん役者ではなく(たぶん)いい意味で力が入ってなくて、自分の普段の声のまま読んでいたので、書かれている「言葉」がとても素直に届いてきました。
長崎弁のイントネーションは難しいと思ったのですが、それもとくに気になりませんでした。
皆さん丁寧に読んでいるので、静かな心地よい緊張感があり、それがまた戯曲に書かれた言葉を、真っすぐに伝えていると感じました。
「本読み会」は15年も継続されているだけあって、主宰のお一人である松山さんの進行は驚くほどスムーズで、感心させられました。
途中で役を交代するにしても、バランスよく振り分けるのはなかなか難しいと思うのですが、参加者全員が一定量読むことができるように配分されていたので、それぞれに満足感があったと思います。
もう一人の主宰である大野さんは「本読み会」を続けることで少しでも戯曲を読む人が増え、戯曲がもっと売れるようになって、もっと戯曲が手に入りやすくなるようにしたいと語っていて、その熱い想いに胸を打たれました。戯曲好きの一人としても、劇作家の端くれとしても、とても感激しました。
さて「戯曲を読む会 全国大会2019」ですが、当日読む戯曲が発表されました。
シェイクスピア、チェーホフ、泉鏡花、岸田國士、等々。
古典にはあまり興味ないという方は、ぜひマーティン・マクドナーを読んでみてください!
遅まきながら、私も最近せっせと読んでいる劇作家です。
少しでも興味を持たれた方はぜひ、大会公式サイトを覗いてみてくださいね。
そして「本読み会」にも参加してみませんか?
私もまた参加するつもり満々です(^-^)
https://gikyoku.club/
http://honyomikai.net/